日産「フーガ」

日産自動車が「セドリック・グローリア」の後継として、新型高級セダン「フーガ」を発表した(アサヒ・コムの記事参照)。

この記事の中で…

「フーガ」はイタリア語で「調和」などを示す言葉に由来し…

と言う部分を読んで目が点になった。
イタリア語にフーガ fuga を「調和」と示す意味などない。「調和」はイタリア語で「アルモニア」 armonia、英語の「ハーモニー」だ。
ラテン語の fugio が語源と思われるこの言葉は、「逃走」、「逃亡」、「(人の)蒸発」等を意味する。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語でもラテン語の意味に同じだ。音楽用語の「フーガ」も、例えば右手と左手の旋律が追い掛けるように奏するところから由来する。
因みに、洗濯機の「脱水」は、「水が勢いよく逃げる」ところから、イタリア語で centrifuga と言う。また、旧約聖書の「出エジプト記」は Fuga in Egitto で、やっぱり「逃げる」。
「セドリック」がケルト語で「提督」、「総督」等を意味する男子の名前、一方、「グローリア」はラテン語、イタリア語で「栄光」を意味する言葉で、どこをどう考えてもカッコいい。
カルロス・ゴーン社長だって、フーガの意味を知らない筈はないと思うのだが、本当にこれで良かったのだろうか?
車名変更でイメージ チェンジを図ろうとするのは良いけれど、「栄光」から「逃亡」ではちょっと悲し過ぎるよなぁ…。

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