長かった「ローエングリン」の公演もあと1回を残すのみとなりましたが、次の演目であるベッリーニの「夢遊病の女」の音楽稽古が先週から始まりました。
ベッリーニと言えば、ドニゼッティやロッシーニと並んで、イタリア・ベル・カントの基本ですが、「夢遊病の女」ではベッリーニの芸術性、技巧的手腕が最も顕著に見られ、彼の全オペラの中でも最良の出来と言われています。
このオペラの初演は、1831年の3月6日(僕の誕生日と同じ!)にミラノのカルカーノ劇場で、当時の2大プリマ・ドンナの1人であるジュディッタ・パスタと、超高音を得意としたテノール、ジョバンニ・バッティスタ・ルビーニによって行われました。
写真は、主人公アミーナ役を得意としたスウェーデンのソプラノ、ジェニー・リンドの有名な肖像画ですが、情熱的なマリア・マリブランや、威厳のあるジュディッタ・パスタに比べ、性格的、声が最もこの役に適していると言われ、「スウェーデンの夜鶯」の名で知られています。
今日、耳にする事の出来る録音として最高峰は、何と言ってもマリア・カラスの物以外には考えられないでしょう。中でもとりわけ彼女の同オペラに於ける唯一のスタジオ録音(ライブ録音は多数)は、音楽的にも歌唱的にも他の追随を許しません。
テノールの役名はエルヴィーノと言いますが、僕がオペラの勉強を始めてから、ドニゼッティの「愛の妙薬」のネモリーノに次いで勉強した役なので、とても懐かしいです。それ故に、今回リヨン・オペラ座で用いられるバージョンが、部分的にアリアやアンサンブルが半音下げられている等の通常上演されるバージョンではないので、違和感があります。尤も、今回の指揮者がこれまでに扱ってきた他の作品も同様に、所謂、イタリアに於ける「伝統的」なバージョンではなかったので、特に驚く事もないのでしょうけどね。既に全公演チケット完売だそうですが、果たしてどんな演奏になるのか楽しみです。
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