今日はワーグナーの「パルシファル」の名盤のお話です。これは第二次大戦後に再開されたバイロイト音楽祭の記録の1つで、1951年の公演のライヴ録音です。この年「パルシファル」は全6回公演だったそうで、聞くところによるとこの録音はそのベストの部分を集めて1タイトルとしたらしいですが、兎に角、指揮もソリストも全てが素晴らしいです!
指揮者のハンス・クナッパーツブッシュは、知る人ぞ知るワーグナーの大家であり、戦後のバイロイト音楽祭を支えた一人です。しかも、「パルシファル」だけでも1951~1964年まで(ヴィーラント・ワーグナーと仲たがいした1953年を除く)、13年間にバイロイトで計55回も指揮をしたそうです。そして、その殆ど全て(12種類)がCD発売されているんですからね。半端じゃありません。一般にはステレオ録音でもある1962年盤が「超名盤」と言われており、確かにかなり良い演奏だとは思いますし、いずれにしてもクナッパーツブッシュの貴重な録音である事に変わりありませんが、僕の一押しはやはりこの1951年盤ですね。テンポはどちらかと言うとかなり遅めなんですけど、それをそうと感じさせないところがまた彼の凄いところ。また、戦後初の「パルシファル」の演奏に、彼の魂のようなものを感ぜずにはいられないのです。
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