フェスティバル "Pour l'humanité"

Festival pour l'humanité
今日のリヨン・オペラ座は、午後のアレヴィ「ユダヤの女」のオケ合わせに続いて、夜はオケ付きの舞台稽古の1回目が行われました。
さて、毎年恒例となったリヨン・オペラ座の3月のフェスティバルですが、今年のテーマは “Pour l’humanité” 「人類のために」で、3月15日~4月3日まで開催されます。
今年は、アレヴィの歌劇「ユダヤの女」、タバシュニクの歌劇「バンジャマン、最後の夜」、クラーサの歌劇「ブランジバル」、ウルマンの歌劇「アトランティスの皇帝」の4作品が上演されます。この内、ハンス・クラーサとヴィクトル・ウルマンはナチス・ドイツによるホロコーストの犠牲者。また、タバシュニク作品の主人公ヴァルター・ベニアミン(バンジャマンは仏語読み)は、ナチスの追っ手から逃亡中にピレネー山中で大量のモルヒネを飲んで自殺したと言われれていますが(オペラの台本は彼が死に至るこの”最後の夜”に焦点を当てています)、その一方で、ロシアのスパイによる暗殺説も浮かんでおり、未だ真相は謎に包まれたままだそうです。
今回のフェスティバルの中核となるテーマは、ユダヤ人の悲劇を以って「人類のために」と謳っていますが、21世紀の今、アルメニア、アルバニア等に於ける人種問題だったり、イスラムにみる宗教問題、或いは、同性愛者に対する嫌悪・偏見等々、攻撃の矛先は絶えることがないという事への警鐘と言えるかも知れません。

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