「カルメル派修道女の対話」~ケント・ナガノ盤

「カルメル派修道女の対話」~ケント・ナガノ盤
今回はプーランクの歌劇「カルメル派修道女の対話」の録音について。写真はリヨン・オペラ座の前回1990年公演と同時期に録音されたCDのジャケットです(1992年リリース)。
指揮は当時リヨン・オペラ座の音楽監督だったケント・ナガノで、主な配役は、リタ・ゴール(クロワシー夫人)、カトリーヌ・デュボスク(ブランシュ)、ジョゼ・ヴァン・ダム(フォルス公爵)、ジャン=リュク・ヴィアラ(騎士フォルス)、ラシェル・ヤカール(リドワーヌ夫人)、マルティーヌ・デュピュイ(マリー)、ブリジット・フルニエ(コンスタンス)他、リヨン・オペラ座管&合唱団。音楽的な完成度が非常に高く、今尚、名盤の1つに数えられています。
脇役にヴァン・ダムが入っているのも注目すべき点ですが、とりわけ、リタ・ゴールとラシェル・ヤカールが良いですね。昨年亡くなったゴールは、僕には彼女が若い頃のダリラやシャルロットの印象しかありませんが、この録音の時もう既に63歳だったと考えると凄いです。

ケントという人は、執念深いという言葉がピッタリなほどスコアに忠実で、音楽に対して決して妥協しないという揺るぎない信念を持つ人ですが、それ故に、メトロノームのような機械的な指揮をする彼に対するリヨンの楽員からの評判は決して良くありませんでしたね。しかし、他の劇場では余り取り上げられない作品を上演したり、数多くの初演を手掛ける等、彼のお陰でリヨン・オペラ座が世界的なレベルまで上がったことは事実ですし、この「カルメル派修道女の対話」の録音も1994年にヴィクトワール・ドゥ・ラ・ムジーク “Victoire de la musique classique” (日本で言う”レコード大賞”のようなもの?)を受賞しているのですよ。
2006年バーデン・バーデンで「ローエングリン」をやった時、共演したベルリン・ドイツ交響楽団の楽員達から聞いた彼に対する評価は非常に高く、ラテン気質のオケとはこうも違うものかと思ったものです(笑)。

リヨン・オペラ座の「カルメル派修道女の対話」のリハーサルはいよいよ終盤、今日がH.P.で明日はG.P.です。

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