昨日からオランジュに来ています。今夜はヴェルディの歌劇「運命の力」の演奏会形式での公演です。
昨日はバスによる移動&夜にリハーサルがあったのですが、夏休みで南仏方面へ向かう自家用車や運送の大型トラックの数に加えて高速道路での事故が重なり渋滞で、到着まで5時間半も要してしまいました。
おまけに、まだホテルの部屋が用意できておらずすぐにチェックインできない人もいましたからね。まさかとは思っていましたが、そのような状況が現実になろうとは驚きました。
僕自身、オランジュに来るのは31年振りの事。前回はヴェルディの歌劇「ナブッコ」公演で、指揮マウリツィオ・アレーナ、演出ニコラ・ジョエルによるプロダクション。第3幕第2場の合唱「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」 “Va, pensiero, sull’ali dorate” をアンコールで2回歌ったりなど、とても思い出深い公演でした。
今回はエクサン・プロヴァンス国際音楽祭とレ・コレジー・ドランジュ国際音楽祭との共催による演奏会形式での公演ですが、昨今、フランスでは助成金カット&経費削減などを要因とし、劇場や音楽祭は存続をかけて非常に厳しい状況にあります。
そのため、オペラ公演も演奏会形式で行わざるを得ない場合が多いのですが、またこうして戻って来れたことは非常に嬉しく思います。「存続は力なり」と言いますが、ここオランジュでもいつかまた舞台演出付きでオペラ公演が出来る日が来ることを願って止みません。
今夜は指揮は今シーズンでリヨン・オペラ座の音楽監督を退任するダニエレ・ルスティオーニ。主な配役は、アンナ・ピロッツィ(ドンナ・レオノーラ)、マリア・バラコーヴァ(プレツィオシッラ)、ジュリー・パストゥロー(クーラ)、ラッセル・トーマス(ドン・アルヴァーロ)、アリウン・ガンバータル(ドン・カルロ)、ミケーレ・ペルトゥージ(カラトラーヴァ伯爵/グァルディアーノ神父)、アンブロージョ・マエストリ(フラ・メリトーネ)、ロドルフ・ブリアン(マエストロ・トラブーコ)、ルイ・モロヴァン(アルカーデ/外科医)他。
オランジュ古代ローマ劇場にて、21時半開演です。
※写真は、音楽祭のプログラムからの引用です。当初ドン・アルヴァーロ役に予定されていたブライアン・ジャッジの写真が掲載されていますが、急病によりラッセル・トーマスに代わりました。