ソルト・クリスタル・ランプ

ソルト・クリスタル・ランプ本来なら今夜が初日の筈だったチャイコフスキーの歌劇「スペードの女王」が、今日がフランス各地で公務員によるストライキだった為、昨夜に前倒しになり今日は一日オフでした。午前中一杯休養を取り、午後は娘を学校まで送った後、妻に付き合って一緒に買い物に出掛けました。
今日の収穫は、写真のソルト・クリスタル・ランプ(岩塩ランプ)。これは、ユネスコの世界遺産に登録されているポーランドのヴィエリチカ岩塩坑から採掘された天然の岩塩石をくりぬいて作られた物だそうで、マイナス・イオンを放出して空気を清浄化する効果があるそうです。
また、このヴィエリチカ岩塩坑には、1999年に前ローマ法王聖ヨハネ・パオロ2世によって聖人として公認された、聖キンガの伝説があるそうです。

13世紀半ば、ハンガリー王ベラ4世の王女キンガは、ポーランドの王子でクラクフ侯であったボレスワフとの結婚を控えていました。当時、大国として栄えていたポーランドには塩が不足していた為、王女はベラ王から嫁資としてマルマロス岩塩採掘坑を譲り受けました。王女はその所有権を示す為、婚約指輪を採掘坑の中に投げ入れました(注)。
ポーランドに嫁いだ王女は、クラクフ近くヴィエリチカの町に井戸を掘る事を命じました。ところが、井戸からは水は出ず岩塩が掘り出され、しかも、その一番最初の塊の中にはマルマロスから王女の後を追って来た婚約指輪が発見されました。

注:この辺の件は、解釈によって「結婚に乗り気でなかった為、婚約指輪を捨てた」、「塩が出るように念じて投げた」とか訳されていますが、諸説が入り乱れていて実際にはどれが正しいのか僕には分かりません。ここではランプを買った時に一緒に入っていたチラシの仏語文からの訳ですが、これもまたちょっと違いますね(^^;

今日でもポーランドではこの伝説が受け継がれ、嫁いで行く時に家族の絆の思い出として岩塩の欠片を持って行くそうです。

因みにフランスでは通常、路上の凍結防止、溶雪等にも岩塩が使われていますが、それに比べると随分趣が違うものですね。

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