パリ、オペラ・コミーク座は1714年の開場のフランスでも最も古い劇場の1つです。これまでに2度火災に遭っていますが、現在の劇場は1893~1898年に再建されたものです。
通称「サル・ファヴァール」 “Salle Favart” と呼ばれる大ホールは、客席数は1255とリヨンのオペラ座と比べると155席多いですが、舞台袖や奥行きに余りゆとりがな為、例えばリヨンでは舞台装置だった舞台奥の壁は、劇場の本物の壁がそのまま使われるなど、様々な変更が加えられています。
僕がこの劇場に初めて来たのは今から13年程前の事で、パリ・オペラ座のジャニーヌ・ライスのマスター・クラス受講のオーディションの為でした。パリには他にも沢山の劇場やコンサート・ホールがありますが、歌のオーディションはここオペラ・コミーク座が使われる事が多いそうです。その理由がどうしてなのか僕は知りませんけどね。
そして、今回公演のシャブリエの歌劇「いやいやながらの王様」は、実はこの劇場で初演されたんです。120年の月日を経て生まれ故郷に帰るなんて、何だかとても不思議な感じがします。
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