土日は2晩続けて違うオペラのGPがあったので、昨日はあまりの疲労に一日使い物になりませんでした。今夜は気を引き締めて「スペードの女王」のGPです。
前回も書きましたが、「スペードの女王」はチャイコフスキーのオペラの中で2番目に上演回数が多い作品です。僕がまだミラノにいた頃にもミラノ・スカラ座(小沢征爾指揮)、カターニア・ベルリーニ劇場等で、また、最近フランス国内ではパリ・オペラ座、トゥールーズ・キャピトル劇場等で上演されています。日本でも昨年はボリショイ劇場による公演があったので観に行かれた方もいらっしゃるでしょう。
ここリヨン・オペラ座では2002/03年と2007/08年のシーズンに上演されていますが、今回の「フェスティヴァル・プーシキン」では、第2幕の劇中劇である牧歌劇『ダフニスとクロエ』の部分がカットされた2007/08年の演出版が上演されます。
チャイコフスキーの作り出す叙情的で劇的な音楽の美しさはこの「スペードの女王」の中でも随所にみられ、ゲルマンのアリア「その人の名前も知らない」、トムスキーのアリア「3枚のカードのバラード」、エレツキーのアリア「私は貴女を愛しています」、リーザのアリア「ああ、心配で疲れ切ってしまった」等々、有名な曲も多いです。如何せん、上演時間が休憩時間や舞台転換を含むと約4時間もあり、今回のフェスティヴァルの3作品中では最も上演時間が長く、出番も最初から最後まで満遍なく配されているので体力勝負みたいな感があります。しかも、登場人物が3人も死んでしまうのでちょっと重いです。プーシキンの作品は悲劇が多いので、仕方がないと言えばそれまでなんだけど、その3人のうち原作では伯爵夫人しか死んでないのにね…。
写真は第2幕第1場、仮面舞踏会の場面で僕が着けている仮面です。賭博の3枚のカードがキーワードとなるオペラだけに、こんな所にも3枚のカードがモチーフとして使われています。