今日からいよいよリヨン・オペラ座でフェスティヴァル・プーシキンが開幕。5月21日までの期間中、チャイコフスキーのオペラ3本、リムスキー=コルサコフのオペラ1本(演奏会形式)を含むシンフォニー・コンサート、ロシア歌曲の夕べ、室内楽のコンサートが予定されています。そして第1夜の今日は「マゼッパ」です。
「マゼッパ」はプーシキンの詩「ポルタヴァ」を基にヴィクトル・ブレニンが台本を書き、チャイコフスキーによって作曲されたオペラです。原作はピョートル大帝に謀反を起こした歴史上の人物イヴァン・マゼッパについて書かれたもので、ポルタヴァとは東ウクライナのポルタヴァの事であり、ロシア帝国とスウェーデン王国との間に21年間に亘って繰り広げられた大北方戦争中、スウェーデン軍の敗戦を決定的にしロシア軍を勝利へと導いた最大の戦いである「ポルタヴァの戦い」を指しています。
チャイコフスキーのオペラでこの史実は、第3幕冒頭に「交響的シーン~ポロタヴァの戦い」として描かれています。また、このオペラの導入曲は劇的で力強く、静かにさり気なく始まるチャイコフスキーの他のオペラとは対照的です。その後、幕を開けた後も次々と美しいメロディー、劇的で勇壮、且つ、悲痛な音楽が奏でられ、聴き手の心を鷲掴みにします。
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