今夜いよいよ「ナイチンゲールとその他の寓話」が初日を迎えます。一昨日の「ドン・ジョヴァンニ」に続いて昨日はグルックの「アルセステ」が初日だったので、今夜は3作目の初日になるわけです。
ストラヴィンスキーの小品を集めた第1部では、中国の影絵芝居を元にアクロバットのダンサー達が、舞台奥に掛けられたスクリーンにそれぞれの作品のストーリーを“体を使って”映し出します(!)。
しかし、今回最も目を見張るのは、第2部の「ナイチンゲール」の演出でしょう。オケピットにはおよそ7万リットルの水が張られ、そこで、「映像の魔術師」と評されるケベック生まれの演出家、ロベール・ルパージュが作り出す不思議な世界が繰り広げられます。
ベトナムの水上人形劇「ムアゾイヌオック」にヒントを得、日本の伝統芸能「文楽」を融合させたという今回の演出では、題名役のソプラノ以外のソリストは皆半身“プール”に浸かり、それぞれ人形を操りながら歌います。幸い、合唱はプールには浸かりませんが、ソリスト同様それぞれが人形を操りながら歌うのは一緒。人形を操ったり舞台変換も行う黒子風に扮したダンサー達はプールにも入ったりするので、全身ウエットスーツに身を包み頭の天辺から爪先まで真っ黒です。また、プール(オケピット)の両脇には歌舞伎の「セリ」のような舞台があったり、メイクは歌舞伎の隈取風です!?
オケピットはこのような理由で“メイン・ステージ”と化しているので、オーケストラは舞台奥に配され、その前で振る指揮の大野さんは僕らの後ろにいるので、ホール内の数箇所に設置されたモニターを通してしか見ることが出来ません。
因みに、「ナイチンゲール」は中国が舞台。中国皇帝は中国語では「黄帝」と書くそうですが、皇帝が取っ替え引っ換え違う色の衣装に着替えるので、「皇帝は黄色しか身に付けない!」と中国出身の同僚が怒ってました。その他、赤は「中国皇帝に忠実に仕える臣下」を示す色だそうですから、侍従(バリトン)や廷臣(合唱)の衣装は何色が適切なのかお分かりでしょう。
西洋人の想像する「アジア」は、時に、非常に理解に苦しむことが多々ありますが、文化・伝統くらいは少し勉強しても良いんじゃないかと思います。それとも、これも「ルパージュ・マジック」の醍醐味なんでしょうかね(^^;
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