お幸せに!

昨夜はオペラ座でベルリオーズの「ファウストの劫罰」の本番がありました。この作品の通例として演奏会形式による公演でしたが、衣装を着けて演出もあるオペラの公演以上に疲れますね。恐らくは自分の出番以外も舞台上にいなけらばならないからないので、身体に余分な力が入ってしまうんでしょうか。それに加えてこの作品は、オーケストラ編成が大きく音のレンジの幅も広い上にテンポの揺れもかなり多いので、正しく「劇的物語」 “Légende dramatique” なんですよね。だから僕なんかは神経が過敏になっちゃって、あまり安心して聴いていられません(笑)。
そんな疲労がまだ取れない今日の午後は、オペラ座の同僚の結婚式&彼等の赤ん坊の洗礼式がありました。新郎新婦は二人共キリスト教信者であっても宗派が違うのですが、新婦の方がカトリックなのでこの教会での儀式が認められたと思われます。
一般に教会で結婚式を挙げるのは、自分が所属する教会でなければなりません。でも、移転等によりそれが不可能な場合は(新婦はノルマンディー地方の出身)、自分が所属する教会の主任司祭から式を挙げる教会の方へ結婚に関する書類等を揃えて知らせる必要があるのです。
尤も、僕自身もそうでしたが、日本では教会によっては、カトリックにおける結婚観を説く「結婚講座」みたいなものを受けることによって、信者でなくても教会で結婚式を挙げる事が出来ます。でも、流石にフランスでは異教徒が教会で結婚式を挙げる事は出来ないので、市役所や区役所等で挙げる “Mariage civil” と言う結婚式もあります。
写真は、新郎新婦の入場時に携帯で撮りました。この角度からは遠くてまるで分かりませんが、新郎が赤ん坊を抱いていました。僕は他の同僚数人と共に式を彩る“歌い手グループ”だったので、随分離れたところにいましたが、こうして教会の結婚式に参加するのはとても久し振りの事なので、ミラノに住んでいた頃、教会の結婚式でグノーの「アヴェ・マリア」やフランクの「天使の糧」等をオルガン伴奏で歌っていた事をふと思い出しました。

ぶっちゃけた話、彼等の場合は、所謂「出来ちゃった婚」なので、赤ん坊の洗礼式をする序に、自分達の式も済ませてしまおう!と言う感じだったのですが、それでも物事の順番から言って結婚式の方を先にやるもんだと思っていたら、前半に洗礼式、後半に結婚式が行われ、ウェディング・マーチで退場という具合でした。
お子さんも含めて、お二人の末永い幸福を願って止みません(^^)

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