今日のリヨン・オペラ座は、いよいよワーグナーの「さまよえるオランダ人」最終公演です。
先日、金曜日の公演では、不調のサイモン・ニール(タイトルロール)に代わって韓国人のサミュエル・ヨンが全幕を通して舞台袖から歌うというハプニングがありました。ヨンは同役をバイロイト音楽祭で歌い大絶賛を博した2012年に続き、2013年、2014年と連続で同役を歌っています。ただ、かなり癖のある歌い方をするので、その辺は好みが分かれるかもしれませんね。
さて、写真はヘルベルト・フォン・カラヤン指揮の「さまよえるオランダ人」CDのジャケットで、EMIのカラヤン全集に収められている物と同じ録音です。配役はジョゼ・ヴァン・ダム(オランダ人)、クロト・モル(ダーラント)、ドゥニア・ヴェイゾヴィチ(ゼンタ)、ペーター・ホフマン(エリック)、カヤ・ボリス(マリー)、トマス・モーザー(舵手)。
流石にベルリン・フィルの音は格が違うと言うのでしょうか、まるでシンフォニーでも聴いているかのような錯覚に陥ってしまう箇所が多々あります。テンポの緩急だけに留まらずダイナミック・レンジの幅も広く、ピアノを絞り過ぎて殆ど聴き取れないところもあったりもしますが、それ故にフォルテの力強さ、劇的効果たるやまた格別ですね。レコーディングも一度に行われたのではなく、1981年12月と1983年9月にベルリン、1982年3月にザルツブルクとういう具合に3時期に亘って行われており、明らかに他の録音とは一線を画しています。
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