今日までリヨン・オペラ座は、グルック「オルフェオとエウリディーチェ」のオケ付き舞台稽古だったので、シュレーカー「烙印を押された人々」組はお休みでした。僕はこのところずっと体調がイマイチだったのでこの休暇はとても助かりました。まだ完璧とまでは行きませんが、お陰様で大分体調も回復しました!
閑話休題。1957年12月7日ナポリのサン・カルロ劇場に於けるヴェルディの歌劇「イル・トロヴァトーレ」の録音を聴きました。
指揮はフランコ・カプアーナ、主な配役はマリオ・フィリッペスキ(マンリーコ)、アントニエッタ・ステッラ(レオノーラ)、アルド・プロッティ(ルーナ伯爵)、フェドーラ・バルビエーリ(アズチェーナ)、プリニオ・クラバッシ(フェランド)他。
何もかもが良いのですが(勿論、僕の個人的見解)特にバルビエーリが秀悦! フィオレンツァ・コッソットとは共演経験もありますが、コッソットがソプラノからの転向であるのに対し、バルビエーリは根っからのコントラルトなので中低音は比ベ物にならないですね。そして、フィリッペスキはアリア「ああ、愛しい人よ」 “Ah si, ben mio” に続くカヴァレッタ「見よ、恐ろしい炎を」 “Di quella pira” を鳴り止まぬ聴衆の大喝采に応えてアンコールしてしまいます。しかも二度目に歌った方がハイCも長い! 学生の頃、初めてこのテノールを聴いた時(録音)にもそのパフォーマンスにとても驚きましたけど、やっぱ流石ですね、ここでもバリバリにやっちゃってました(笑)。