リヨン・オペラ座のモーツァルト「イドメネオ」公演が終わり、昨日から僕は明日月曜日迄お休みです(グルック「オルフェとエウリディーチェ」組の人達は昨日と明日は立稽古)。
今日はヴェルディの歌劇「シチリアの晩鐘」の録音を聴きました。これは1959年トリエステのヴェルディ歌劇場に於けるライブ録音です。
元々はパリ・オペラ座委嘱による作品なので原語はフランス語ですが、この録音はイタリア語版によるものです。その為、以下に記した配役名等もイタリア語版の呼称に準じるものです。
指揮はアントニーノ・ヴォット、主な配役はアルド・プロッティ(モンフォルテ)、マルゲリータ・ロベルティ(エレナ)、ピエール・ミランダ・フェッラーロ(アリーゴ)、プリニオ・クラバッシ(プロチーダ)他。
「シチリアの晩鐘」は序曲(シンフォニア)やプロチーダのアリア「おお、パレルモよ!」 “O tu, Palermo!” (第二幕)、エレナのアリア「友よ、ありがとう」 “Mercè, dilette amiche” (第五幕)等が有名で単独で演奏される機会も多いですが、特に序曲は僕が高校生の時に吹奏楽部が演奏していた事もあるので(同曲でコンクール入賞もしている!)、随分昔から馴染みの曲です。
この作品を全曲通して聴いたのは1986年ボローニャ市立歌劇場に於ける公演(リッカルド・シャイー指揮、レオ・ヌッチ、スーザン・ダン、ヴェリアーノ・ルケッティ、ボナルド・ジャイオッティ他)が最初。続いて1989年渡伊の年のスカラ座のシーズン・オープニング(リッカルド・ムーティ指揮、ジョルジョ・ザンカナーロ、シェリル・ステューダー、クリス・メリット、フェルッチョ・フルラネット他)。いずれもテレビで観ましたが、第三幕はバレエの場面もありますから映像があった方がより楽しめますね。
さて、このトリエステ公演の録音ですがヴォットの音楽は勿論の事、歌手陣も良いですね。第一幕フィナーレの二重唱の最後で、アリーゴが歌う変ニ音の高音が綺麗に決まっていましたし(この音はオプション)、先に述べた2つの有名なアリアの他、第三幕のモンフォルテのアリア「富を手にして」 “In braccio alle dovizie” や第四幕のアリーゴのアリア「涙の日、きびしい苦しみの日よ」 “Giorno di pianto, di fier dolore” も良かったです。
余談ですが1992年クリスマスに僕がヘンデル「メサイア」のソロを歌ったサンタ・マリア・マッジョーレ教会は、ヴェルディ歌劇場からも遠くありません。アドリア海に面しイタリア北東端にありスロヴェニア共和国と国境を接する港湾都市トリエステは、僕の好きなエスプレッソコーヒー「イッリ」 “illy” の町でもあります(^^)
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