セロ弾きのゴーシュ

セロ弾きのゴーシュ毎年11月にパリとリヨンで開催される「アジアの映画と文化」 は、アジア諸国の映画、 文化を紹介するフェスティバルで、今年でもう10回目になります。多数上映される映画の中で、今年、我が家で選んだ作品は、高畑勲監督の『セロ弾きのゴーシュ』(仏語吹替)ですが、上演前の作品の紹介が “あの『となりの山田くん』の高畑監督作品!と言うのは笑えました。

原作は言わずと知れた宮沢賢治ですが、はて、どんなストーリーだったか忘れてしまっていたので、青空文庫でダウンロードして、真面目に内容を復習してから出掛けました(笑)。
主人公のゴーシュ Goshu はチェロがあまり上手ではありませんが、フランス語で不器用なへたくそを意味するゴーシュ gauche とも重なっていてとても面白いですね。
全編を通して感じるのはやはり、「生き物は皆兄弟であり、生き物全体の幸せを求めなければ、個人の本当の幸福も有り得ない」という宮沢賢治自身の考えではないかと思います。
最後にゴーシュが「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれはおこったんじゃなかったんだ。」と言うのがとても印象的で、何だかとても心が暖かくなるのも、その所為なのかも知れません。
フランスでは日本の漫画、アニメーションが大人気ですが、最近の作品にはあまり見られないほのぼのとした趣があり、恐がりなうちの娘でも安心して楽しめ、また、満席の会場も和やかな笑いと雰囲気に包まれていました。

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