昨日、リヨン・オペラ座はベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」のKHPが19時半から行われましたが、途中何度も中断したので最初の出番は何と21時20分頃でした(本当だったら開始から約20分後というタイミングです!)。
KHPは、オケが入らないだけで本番さながらに初めて衣裳・メイク付き行われるので、このように予期せぬハプニングがつきものですが、それに加えて昨夜は、ドン・ピツァロ役のパヴロ・フンカが舞台上で転倒するという事故がありました。ちょっとだけ今回の演出の種明かしをすると、ソリスト等の殆ど全員がセグウェイ(電動立ち乗り二輪車)に乗って舞台上を右往左往して動いているのですが、昨夜事故が起こった時、パヴロは自分の衣裳をセグウェイで踏ん付けてしまい、そのまま大きく転倒したらしいです。ただでさえ大男ですからね、さぞや大きな音がしたに違いありません。僕が舞台に行った時には、劇場総監督を始め、既に大勢の人が彼を取り囲んでいました。
そして、今日は同作品のオケ合わせが行われましたが、パヴロの姿はありませんでした。昨夜は自分の足で歩いて舞台から退いていたので、余り大事には至らなかったのだと思うんですけど、それにしても舞台は危険が一杯です(><
写真は、前回リヨンで行われた同作2003年公演の舞台。同年春のザルツブルク復活祭音楽祭との共同プロで、指揮はレオポルト・ハーガー、演出はニコラウス・レーンホフ。歌手陣はクルト・ギーゼン(ドン・フェルナンド)、クラウディオ・オテッリ(ドン・ピツァロ)、ロバート・ディーン・スミス(フロレスタン)、ガブリエレ・フォンターナ(レオノーレ)他という配役でした。
この時は、真冬にもかかわらず舞台上で裸足、しかも、頭にはストッキングを被るという歌手にとっては信じられないようなハンデがありましたが、今回は一旦衣裳を付けたら小幅で歩くこと以外、殆ど身動きが取れないというまた違ったハンデがあるんです(^^;