「パリの生活」~G.P.

第1幕冒頭(2007年公演より)リヨン・オペラ座、オッフェンバックの喜歌劇「パリの生活」のリハーサルもいよいよ大詰め。今夜はG.P.が行われます。
それに先立って昨夜行われたH.P.では、第4幕フィナーレで同僚の1人が滑って転倒した弾みで頭部を強打し流血騒ぎとなり、そのまま中止となってしまいました。
しかし昨日は、公開リハーサルだったのが不幸中の幸いで、消防と医師がすぐに駆け付け、救急車が到着するまでの間、応急処置に当たりました。フランスでは劇場公演、またはそれに準ずる催し(多数の人が集まる場所)に於いて、不測の事態に備えて消防士と医師の待機が義務付けられています。

楽屋口を出ると、何人もの知り合いから一体何がどうなったのかと声を掛けられました。客席からは少し見え難い場所の出来事で、また、中にはこれも過激な演出の一部だと思った人も多かったようです。いずれにせよ突然の中断に驚いたそうですけど、僕は彼が転倒した瞬間を見ておらず、気付いた時にはもう既に舞台上で目をカッと開けたまま微動だにせず倒れている姿でした。その後、駆け付けた医師の言葉に反応している様子から意識はあると言う事が分かり、消防士らに抱えられて起き上がった姿を見て少し安心しましたが、やはり気が気ではありませんでした。
帰宅後オペラ座から、観劇に来ていた夫人が同伴して救急へ運ばれ、傷口の縫合と検査待ちだという連絡が入りました。今はただ、大事に至らない事を祈るだけです。
僕自身も流血とまでは行かなくても転倒による打撲や捻挫は、これまでもう何度も経験していますし、つい最近では「ルイザ・ミラー」の時にピストルの爆発音により聴覚に支障を来しましたからね。全く危険な商売です。

今日は夕方にオペラ座へ行く前、これから明日のコンサート(ヴェルディのオペラ抜粋)のリハーサルに出掛けます。

※写真は第1幕冒頭の場面。2007年の公演時のもので、ネットから拾ってきたものを掲載の為に縮小しました。

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