さよなら、ルチアーノ

イタリア人テノール歌手ルチアーノ・パヴァロッティが膵臓癌で亡くなりました。

Corriere della sera1961年にプッチーニの歌劇「ラ・ボヘーム」のロドルフォ役でデビューした彼は、1965年マイアミに於けるドニゼッティの歌劇「ランメルムーアのルチア」でジョーン・サザランドの相手役を務め一躍世界の注目を浴び、1972年ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場に於けるドニゼッティの歌劇「連隊の娘」で大成功を収めます。以来2004年に引退を決意するまで、イタリアの太陽のように明るく、また、父親が赤ん坊に子守唄を歌うような甘い歌声は世界中の人を魅了しました。
今朝はいつものように朝食を済ませた後、ネットで伊紙コリエーレ・デッラ・セーラ(写真)のサイトを開くと、彼が5時にモデナの自宅で息を引き取ったと言う訃報が載っていてとても驚きました。今年6月に膵臓癌の手術を受けた後も、容態は芳しくないと聞いていましたがやはりショックです。リヨンのオペラ座でも今朝は、リハーサルが始まるまで彼の話題で持ちきりでした。

ついに一度も生で彼の声を耳にする事はありませんでしたが、僕が歌の勉強を始めた頃、録音を一番多く聴いたのは彼でした。特に初期の録音はサザランドが評したように、明るさや甘さに加えて確かなテクニックと力強さも感じられる素晴らしい声で、あのままのスタイルで歌い続けていたら、名実共にカルーゾーの再来と呼ぶに相応しい歌手になっていたでしょう。1970年代のパヴァロッティが僕は一番好きだったし、1つの理想でした。とは言うものの、世界中の人に愛された偉大な歌手である事に変わりはないし、オペラ界の星がまた1つ消えてしまったのは言うまでもありません。心よりご冥福をお祈りします。

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