今年のクリスマス当日の正餐は、お客様にりょうこさんとゆきちゃんを御招待し、マーシャも交えていつもよりとても賑やかな宴となりました。本来、クリスマスの正餐は普段なかなか一緒に過ごす事の出来ない家族が一同に会する、一年を通して最も重要なキリスト教の行事の1つですが(日本で言ったらお正月のような物ですね)、僕達がイタリアにいる頃、家族同様にお付き合いをしていたイタリア人の友人宅に、毎年クリスマスに招いてもらい嬉しかった事を思い出します。今年は日本の家族と一緒に過ごす事が出来ないお二人と、同じように過ごせたら…と思い御招待しました。
さて、肝心の料理ですが、デザート以外は僕が担当したので、ここ数日間はメニューを決めるのにとても頭を痛めました。先ず第一に、牡蠣くらいならまだ分かりますけど、ダチョウ、カンガルー、雌鹿等、「普段あまり食べない物を食べる」と言う、フランスのクリスマスにはちょっと?だし、ブレス産のシャポン(虚勢雄鶏)を買えるほど経済的余裕もないので(爆!
フランス人の友人に、初めて大枚を注ぎ込んで買ったシャポンをちょっと目を放している隙に、丸焦げにしてしまったと言う人がいます。シャポンは1羽2万円(!)ほどしますが、その時が最初で最後、「もう二度と買わない!」と言っていました。シャポンはクリスマスの時期に合わせて生後8ヶ月ほどで屠殺されますが、始めから大きくなるであろうと思われる雄鶏を選び、10週目位に去勢され、屠殺前の最後の3~4週間ほどは篭の中で過ごします。こうする事によってその肉は柔らかく非常にまろやかとなりますが、それ故に焼き方にも普通の鶏と違いテクニックが必要なのだそうです。大体、フランスの料理学校の卒業試験に、よくシャポンが課題として出される事があるらしいですから、僕のような素人が手を出す素材ではないですね(^^; と言う訳で、結局、前菜以外はイタリアンになりました(^^)
前菜は「海老と帆立貝のカクテル」と、ゆきちゃんから頂いた「プティ・サレ」、「カナッペ」等。食前酒は最後まで何にしようか迷って、結局決めていなかったのですが、タイミング良くりょうこさんがラズベリーのリキュールをお土産に持って来てくださったので早速頂きました(^^)
一皿目は「トマトとセップ茸のスパゲッティ」 Spaghetti ai funghi porcini
前菜とメインは生クリームを使った料理なので、間にトマト味をはさみました。
メインは「ローマ風サルティンボッカ」 Saltimbocca alla Romana にサラダを添えて。サルティンボッカは「口に飛び込む」と言う意味のイタリア語です。仔牛肉をよく食べるイタリアならではの料理で、仔牛肉と生ハムの間にセージの葉を挟んで焼き、生クリーム、スープとマルサラ酒(今回は白ワイン)で煮詰めます。
ワインは以前紹介した貴腐ワインを開けました。美味!
デザートはピンク・シャンペンと一緒に、「ビュッシュ風チョコレート味のロールケーキ」。妻曰く、「クリームは失敗だ!」と言う事でしたが、娘は「すんごくおいしいよっ!」とすかさず反論(笑)。実際、とても美味しかったです。
食後は皆でハリガリやジェンガのゲームで白熱して、午後の楽しい一時はあっと言う間に過ぎました。朝からテンションが上がりっぱなしで上機嫌だった娘は、「もうかえっちゃうの~」と号泣し、毎度お馴染みの幕切れとなりました(笑)。