やっぱり気になって

Historia de una Gaviota先日、日本語訳で『カモメに飛ぶことを教えた猫』を読んで、河野万里子さんが、フランス語版から訳したと知り、やっぱりスペイン語ではどう書かれているのか、とても気になって原書を買ってしまいました。これでこの本における頭の中のもやもやが全て解決です(笑)。
やっぱり似たような言葉を当てていても、それぞれの言語によって微妙にニュアンスが違うんですよね。
中でもとりわけ、興味深いと思ったのは、大佐が「ポルカ・ミゼーリア!(こんちきしょう)」とイタリア語で何度も言う場面。イタリア語版ではこの言葉をナポリ方言の「マンナッチャ!」 Mannaccia ! に置き換えています。この2つのイタリア語は、日本語に訳すと意味は同じなんですけど、前者の方が意味がキツく、後者の方が表現が柔らかく、他愛ない感じを受けます。僕が最初に読んだのがイタリア語版だったからなのかも知れませんが、この言葉のニュアンスは数ヶ国語を通してとても気になってました。作者のセプルベダ自身が「ポルカ・ミゼーリア」と書いていたんですね。

ドイツのハンブルクを舞台に繰り広げられるこの物語、ゾルバの家はどの辺かなあと、10年以上も前に同地で過ごした数日間に思いを馳せています。

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