フジコ・ヘミング~リサイタル

今夜はフジコ・ヘミングのリサイタルを聴きに行きました(会場は Salle Molière)。予想はしていましたが日本人の観客が非常に多かったです。

今夜のプログラムは予定していた内容に一部変更がありましたが、それでも1曲を除いて全部知っている曲だったので、どう演奏するのかとても楽しみでした。
因みにその1曲というのは、助川敏弥の「ちいさき いのちの ために」(LACRIMOSA)という曲で、震災以来、彼女がプログラムに加えることが多いようです。

リサイタル~チラシより

彼女の演奏には賛否両論があり、特に専門家からは厳しい評価を受けていますね。それは1970年代以降ピアノ界で進められたメカニック面の技術革新(より精密な表現技法を求める)による影響もあるようで、つまり、メロディーに溺れた彼女の演奏スタイルは、現代の演奏基準からは外れているという事らしいのです。
しかしながら実際の演奏は、確かにミスタッチもするし、テクニックだって完璧じゃない。また、たまに変な間みたいなのもあったりしたけれど、音楽は決して悪くない。素晴らしい。彼女の独特な世界の中にどんどん引きずり込まれて行ってしました。
今夜は、もうここ何十年も生で聴くことのなかった、古き良きピアノ演奏スタイルに、心臓がバクバクいって興奮していました。

カテゴリー: 音楽 タグ: パーマリンク