今夜のリヨン・オペラ座は、モーツァルトの歌劇「魔笛」の7回目の公演。昨日で丁度前半の6回が終わり、今夜から後半に突入です。
さて、昨日から気分は何故かシェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」です。
写真のCDは、指揮がクラウディオ・アバド、ウィーン・フィル、ゴットフリート・ホーニク(語り手)、ウィーン国立歌劇場合唱団(男声のみ)と言う演奏です(このCDには他にヴェーベルンの管弦楽曲も入っています)。
1989年5月録音のこの演奏ですが(2曲目以降は録音日時が異なる)、アバドの指揮はいつもながらに秀悦、また、ウィーン・フィルの独特の音色が不思議な雰囲気を醸し出しています。
1947年シェーンベルクがアメリカ亡命時(73歳)、クーセヴィツキー音楽財団による委嘱で書いた「ワルシャワの生き残り」は、7分にも満たない小曲ですが、全編に及ぶ12音技法は「恐怖」や「暴力」の表象として用いられており、シェーンベルクの代表作の一つに数えられます。
終盤に男声合唱によって歌われるユダヤの聖歌「イスラエルよ聞け」はとても衝撃的で、昔、ゲンナジ・ロジェストヴェンスキーの指揮で初めて歌った時も、何とも言えない気持ち悪さ、不快感に似た感情を抱いたのを未だに覚えています。