この料理との出会いは、もうかれこれ10年以上前になる。夏休みに1週間程滞在した、イタリア人の友人の別荘でご馳走されたのが初めてだった。
このパルミジャーナ Melanzane alla parmigiana は、日本風に「ナスのグラタン」と言ったら分かり易いかも知れない。「ナスのグラタン」と言うと普通、ミートソース入りというイメージだけれど、これはもっとシンプルに、トマト・ソースとナスとチーズだけの料理。ポイントはナスのアク抜きを水じゃなくて、塩を使うこと。こうすることによって、ナス独特の臭みもなくなって、下味もしっかり付く。
因みに、この料理の名前「パルミジャーナ」は、パルマ風と言う意味ではなくて、ペルシャ風よろい戸 finestra persiana を意味する、シチリア方言の「パルミチャーナ」 parmiciana が語源。薄切りにしたナスをペルシャ風よろい戸の様に、何層にも重ねて並べることからこの名前が付いたらしい。
あの紫色や「キュッ」という食感が苦手で、それまでナスが大嫌いだった僕が、大のナス好きになってしまった一品。お陰で、今ではパルミジャーナ以外でもナスが食べれる様になった。
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