バジリコの鉢植えがスーパーに出回り始めたので、妻がペースト・ジェノヴェーゼを作りました。このブログを始めたばかりの頃にも1度触れましたが、パスタ好きの我が家ではこの時期の定番メニューの1つです(^^)
ペースト・ジェノヴェーゼ Pesto genovese は、厳密にはローマのあるラツィオ州産やサルデーニャ産、またはシチリア産のペコリーノ Pecorino (羊乳のチーズ)も入るんですけど、この辺りではイタリア食材店に行かないと売っていないので、今回は割愛しました。しかも、我が家のレシピでは松の実の量が少々多めなので、「ジェノヴァ風ペースト」 Pesto alla genovese と呼ぶのが妥当かと思います(^^;
「ジェノヴァ風」とは言っても、出来る限り本物に近づけるため、“オフィシャル・レシピ”で決められている材料のみを使います(笑)。
この1鉢分のバジリコの葉(50g)で、丁度ジャムの瓶1個分の量になります。
オイルはエクストラ・バージン・オリーヴ・オイル(約60cc)。市販のペーストは植物油を使っているか、またはオリーヴ・オイルを使っていても全体量の数パーセントにしか過ぎず、この旨味は味わえません。
使用する粉チーズはDOP(イタリアにおける原産地名称保護制度)で決められた物で、パルメザン Parmigiano Reggiano やグラナ・パダーノ Grana Padano 、ペコリーノでなければなりません。今回の我が家のレシピでは、パルメザンよりもクセがなくてまろやかなグラナ・パダーノ(50g)を使いました。
松の実は“地中海産”120gを使用。この量は他のレシピに比べると3倍位ありますが、その分だけペーストがよりドロっと仕上がります。塩小さじ1、にんにく1かけ。
作り方はいたって簡単。最初に松の実、オリーヴ・オイルとにんにくをミキサーにかけて、滑らかにします。その後、水洗いしてよ~く水気を切ったバジリコの葉っぱを数回に分けて千切って加えます。
塩とチーズを加え、必要に応じてオリーヴ・オイルを足しながら更に混ぜて、ペースト状に仕上げます。
時間が経つとバジリコの葉っぱが酸化して黒っぽくなってくるので、手早く作業するのがポイントです。
以前にも書きましたが、残ったペーストは瓶に入れて、オリーヴ・オイルで表面に膜を作って空気から遮断すると、変色防止にもなって冷蔵庫で数日~1ヶ月位保存出来ます。でも、風味から言ったら、肉や魚料理のソースとして使ったり、ブルスケッタにするなどして、なるべく早く食べ切る事をお薦めします。
イタリアに住んでいた頃、ジェノヴァに行った時は何故か1度も食べた事がないペースト・ジェノヴェーゼ。その後、仕事でリグーリア州(ラ・スペーツィアからフランスとの国境ヴェンティミリアに続くリビエラ海岸一帯)のインペリア他の町に数回に亘り通算で1ヶ月以上滞在した際には、流石に死ぬほど食べたので、未だにあの味は忘れられず、こうして食べる度に、今でもあの頃の事を懐かしく思い出します(^^)