「連帯責任の日」?

今日5月16日は例年なら「聖霊降臨の主日後の月曜日」で祝日。ところが2003年夏の猛暑で多くの高齢者や身障者が亡くなったのをきっかけに、「連帯 責任の日」 “Journée de solidalité” として昨年6月に公布、今年から施行される事になった。この祝日を廃止して就労に充てる事で、20億ユーロ(約276億円)もの大金が国庫に納められるらしい。
しかし、当の高齢者や身障者の中には、「本当にそのお金が自分達の支援に充てられるのか心配」、「宗教的な祝日を廃止してまでやる事じゃない」と言う声も聞かれる。確かにその大金が全額充てられるとは想像し難い…。
ここで1つはっきりさせておきたい事がある。フランスの5月16日は日本では一部「振り替え休日」と報じられているけれど、れっきとした「祝日」である。「聖霊降臨の主日」が “復活祭後の7度目の日曜日” と必ず日曜日に当たるだけで、翌月曜日はそれを祝う国民の休日なのだ。
ある世論調査によると、国民の55%は今日働かないと言う。その主な理由は「会社そのものが休み」、「有給休暇」、「労組のストに参加」等々。リヨンの場合、市内交通はストの影響で10時20分現在、普段の79%しか運行していない。県議会や州議会は祝日ではないけれど、有給休暇の取得が認められているので、欠勤者が多い事を見越して重要な議会は開かれない。学校は平常通りだけど、予定されていた試験は延期等、実に様々だ。うちの娘の通う幼稚園の場合は、事前にアンケートがあり結局通常通り。リヨン市の職員が多いオペラ座は休み。リヨン市の場合は、「連帯責任」として毎月の給料から数%引かれているのだ。でも、まさか今日は無給休暇だったりして…(^^;
政府によるとこの「連帯責任の日」は2008 年まで続けられるらしいのだが、たった4日分の連帯責任で済むのなら祝日を廃止せず、 別の日、方法でも同じような気がしなくもない。だいたいフランスでは一週間の就労時間が35時間と決められているから、今日も働いちゃうと他にどこかでシワ寄せが出てしまう。でも、何となくちぐはぐなところがフランスなのかも…(T_T;)

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