ピック・マンジャガッリ:歌劇「ロマンチックな夜」

ロマンチックな夜「ロマンチックな夜」はアルトゥーロ・ロッサートの台本にリッカルド・ピック・マンジャガッリ(1882-1949)が曲を付けた、1幕2場からなる短いオペラです。初演は1936年4月25日に、ローマ王立歌劇場に於いてトゥリオ・セラフィンの指揮によって行われました。
この作品は当時、ミラノ・スカラ座を始めパルマ、ヴェネツィア、トリエステ等、イタリア各地の歌劇場で上演されていたようですが、今日では作品中で演奏される「ウィンナー・ワルツ」だけが単独で演奏される事がたまにあるだけで、全曲が演奏される機会がありません。
写真の台本はネットで見つけて入手したものですが、初演から12年後の1948年に再版されたものなので、恐らくその頃はまだ上演されていた可能性が高いです。因みに、スコアは現在市販されておらず(絶版?)、ローマ聖チェチーリア音楽院の図書館、ボローニャやフィレンツェ等の国立図書館に所蔵されているらしいです。
僕がまだニースのオペラ座にいた頃、イタリア・オペラの合唱曲によるコンサートがありました。プログラムの中にはヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」、「ナブッコ」、レオンカヴァッロの「道化師」、ドニゼッティの「ドン・パスクアーレ」等の有名な作品の他に、「ロマンチックな夜」から2曲、第1場の「ウィンナー・ワルツ」へと続く男声合唱、第2場冒頭で漁師の合唱(男声)も含まれていました。この漁師の合唱は、作品のタイトルともマッチしてとても甘美なメロディーなのです。
今年の夏休みに楽譜やプログラム等、古い資料を整理していたら、その時に使用したコピー譜が出てきてとても懐かしくなってしまいました。

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