ヨハネ受難曲

2月の末、バッハの「ヨハネ受難曲」の演奏会に出演依頼を受けた。指揮者との第2回目の稽古の筈だった3月2日、朝から余り声の調子が良くなかった。
約束の時間より少し早く着いた僕は、コーヒーを飲み少しでも落ち着こうとした。約束の時間を5分くらい過ぎた頃、指揮者が現れた。一通りの挨拶が終わり話し込んでいるうちに、ふと、まだピアニストが来ていない事に気が付いた。もうかれこれ15分程経っていたので指揮者が電話すると、彼女(ピアニスト)はまだ自宅にいた。ちゃんと確認した筈だったのに、稽古の日にちを一週間間違えていたのだ。開いた口が塞がらなかった我々二人。すっぽかされて困った顔の指揮者と、渡りに船の僕であった・・・。

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